大麻でランニング・ハイ

The Wall Street Journal に大麻とウルトラマラソン(内容的にトレイルラン)の蜜月関係について面白い記事があったのでザクっとまとめてみる。

The Debate Over Running While High
For Ultramarathon Runners, Marijuana Has Enormous Benefits—But Is It Ethical?
http://www.wsj.com/articles/the-debate-over-running-while-high-1423500590

アメリカでもトレイルランレースは大人気で、過去10年で最も伸びている持久系スポーツの一つ。
ただし、その愛好者は2分される。

  • endurance jocks : ハードマゾ
  • potheads : 大麻で何でも解決しようとする人

この記事では、少数派の後者に光を当てている。

potheads

“Born To Run” でもフィーチャーされていたトレイルランナー Jenn Shelton は

  • 痛みをコントロールし
  • 吐かず
  • 落ち着いている

選手がウルトラマラソンを制すると語っています。

The person who is going to win an ultra is someone who can manage their pain, not puke and stay calm

BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”

痛みについては、鎮痛剤(ロキソニンなど)を服用して対処している人はそこら中にいます。
ただし、簡単に手に入る鎮痛剤では残り2つを解決できません。

Jenn によると、大麻はこれら3つを解決してくれると言います。

“Pot does all three of those things.”

Jenn は過去に大麻を使って競技していたが、今ではパフォーマンス向上させる大麻はフェアでないという倫理的観点から使用をやめていると WSJ で答えています。大麻なんで鎮痛剤の一種に過ぎないとも。

Pot, she said, is just one of the numerous painkillers that athletes take during the grueling races.

アメリカの22歳のトレイルランナー Avery Collins もレースでは使用しないが、鎮痛とリラックス目的で、トレーニング後やレース後に大麻の力を借りていると WSJ で答えています (Avery の住むコロラドでは大麻は合法)。

医療大麻

医学的にも大麻の鎮痛効果は実証済み。
化学療法の副作用で吐き気・嘔吐がある人にも大麻が使われている。

ドーピングテストでの大麻の扱い

オリンピックなどでは WADA が検査基準を策定している。

2013の改定では、大麻の合法化の広まりとともに、大麻の主成分である テトラヒドロカンナビノール(THC)の閾値を上げ、日常的に使用する限りでは引っかからないようにした。

That essentially gave the green light to marijuana usage during training, not to mention as a stress reliever the night before a race.

ただし、競技においては、競技力向上や “spirit of sport” の観点から禁止のまま。
http://list.wada-ama.org/list/s8-cannabinoids/

※そもそも、トレイルレースでドーピングテストは一般的ではないので、トレイルランニングに限定するとどうでも良い。

ヒッピーカルチャー

トレイルランナーは「エコ」や「ロハス」に意識の高い人が多く、ベジタリアンも多かったりと思想的にヒッピーとも近いものがあります。
大麻ラブな点はヒッピーとも仲良くなれそうです。

公表している大麻服用者は氷山の一角

Avery Collins のスポンサーにはマリワナを製造・販売する企業がいます。

そんな大麻を推進するサイト normlathletics.org において、 Avery Collins は周りのランナーでも大麻を服用している人は多く、単に世間の目を気にして公表していないだけと暴露しています。

But some of the veterans who have been running for 15 years and some of the faster new school guys do as well. It’s just that most people don’t want to speak their mind and come out like I did.
http://normlathletics.org/avery-collins-discusses-ultra-marathon-running-and-cannabis/

日本人が海外で大麻を使用

アムステルダムや最近ではコロラドやシアトルでも大麻は合法です。
これらの地域で日本人が大麻を使用するとどうなるのでしょうか?

素直に法律を解釈すると「大麻単純所持剤」は刑法第2条により日本国外でも成立します。
ただし、起訴されたという実例を耳にしたことはないそうです。 使用は AT YOUR OWN RISK で

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読書メモ:「天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々」by メイソン・カリー

  • 天才たちの日課 – クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々
  • メイソン・カリー=著
  • 金原瑞人・石田文子=訳

という本についてメモ。

9784845914333.MAIN_1-204x300

  • 過去6年に渡る “Daily Routines – How writers, artists, and other interesting people organize their days.” というブログ記事を本にまとめたもの。
  • 偉人はどのようなライフサイクルで創作活動を行ってきたのか、自伝やインタビュー記事などをたよりに調べただけで、科学的な研究結果ではない。
  • すでに故人となっている偉人が多く、対象アーティストの分野・時代は多岐にわたる。
  • 記事の並び順もritualの傾向、名前、分野、年代などで一貫性はない。
  • 女性は15%しかいない。(家庭・子供のいる現代の女性には参考にならない)

この本からの主張は3点

  • カフェインは有効(コーヒーなど)
  • 時間割は固定すること(朝型、夜型はひとそれぞれ。どっちが良いということはない)自分なりのスタイルを貫いている
  • 上記以外の habit(運動、食事など) はひとそれぞれ。小話のネタでしかない。

他のレビュー

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レースで鎮痛剤は飲むべき?

持久系スポーツ(トライアスロン、マラソンなど)では、レース前・中にロキソニンなどの鎮痛剤を服用している人が一定数いるけれども、果たして効果はいかほどなのか?

次の 2009 年の Thew New York Times の記事をもとにまとめてみる。

Phys Ed: Does Ibuprofen Help or Hurt During Exercise?
By GRETCHEN REYNOLDS SEPTEMBER 1, 2009 11:59 PM
http://well.blogs.nytimes.com/2009/09/01/phys-ed-does-ibuprofen-help-or-hurt-during-exercise/

この記事では

などの選手を対象に、レース前・中の鎮痛剤(とくにイブプロフェン)の効果について検証した論文が紹介されている。

順に見ていく。
ウルトラマラソン(western states)
レース前・中に鎮痛剤を服用したランナーは服用しなかったランナーに比べて、レース後の

  • 炎症反応
  • 免疫反応

が強く、イブプロフェンの利用者は、レース中・後に

が見られた。

また、レース中の体感する痛みに違いはなかった。(両群の実力の違いは不明)

イブプロフェンの利用者が全体の七割を占め、その多くは、レース中も一定間隔で服用していた。

一般化する鎮痛剤の服用

NSAIDs の愛好家は地域もスポーツも競技レベルも選ばない

  • トライアスロン(Ironman 2008 Brazil) 60 %
  • フルマラソン(2002 New Zealand) 13%
  • プロサッカー(イタリア 2002-2003 シーズン) 86%

また、2002 と 2006 の FIFA World Cup では

  • 半数が少なくとも一度服用
  • 10%が各試合前に服用

となっている。

アスリートは実際の効用に関係なく、常用していることがわかる。
NSAID は痛みを発生させるプロスタグランジンの生成を抑制しているが、回復に重要な働きをするコラーゲンの生成も抑制してしまう。
日常のトレーニングのお供として鎮痛剤を常用すると、トレーニング効果を軽減させてしまう。

まとめとしては

  • 打撲、骨折、捻挫のような急性援用の場合は鎮痛剤が効果的。
  • ただし、運動や、レースのたびに服用するのは肯定できない

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Effects of Low-Carbohydrate and Low-Fat Diets: A Randomized Trial

The New York Times で最近発表された低炭水化物ダイエットの論文が紹介されていたのでメモ。

原論文

Effects of Low-Carbohydrate and Low-Fat Diets: A Randomized Trial
Lydia A. Bazzano, MD, PhD, MPH*; Tian Hu, MD, MS*; Kristi Reynolds, PhD; Lu Yao, MD, MS; Calynn Bunol, MS, RD, LDN; Yanxi Liu, MS; Chung-Shiuan Chen, MS; Michael J. Klag, MD, MPH; Paul K. Whelton, MD, MSc, MB; and Jiang He, MD, PhD
Ann Intern Med. 2014;161(5):309-318. doi:10.7326/M14-0180
http://annals.org/article.aspx?articleid=1900694

Objective: To examine the effects of a low-carbohydrate diet compared with a low-fat diet on body weight and cardiovascular risk factors.

Conclusion: The low-carbohydrate diet was more effective for weight loss and cardiovascular risk factor reduction than the low-fat diet. Restricting carbohydrate may be an option for persons seeking to lose weight and reduce cardiovascular risk factors.

The New York Times の記事

A Call for a Low-Carb Diet That Embraces Fat

By ANAHAD O’CONNORSEPT. 1, 2014

http://www.nytimes.com/2014/09/02/health/low-carb-vs-low-fat-diet.html

紹介記事

New Answers About Carbs and Fat

By ANAHAD O’CONNOR SEPTEMBER 5, 2014 1:02 PM
http://well.blogs.nytimes.com/2014/09/05/new-answers-about-carbs-and-fat/

↑の記事のQ&A

研究結果

method

1年間に渡ってカロリー制限せずに

  • 低糖質ダイエット(40 g/d)
  • 低脂質ダイエット(30% of daily energy intake from total fat [<7% saturated fat])

の2群に分けて体重と心臓血管疾患への影響を検証。
研究資金は NIH から出ている (http://clinicaltrials.gov/show/NCT00609271)

result

ザクッといえば、低糖質ダイエットは低脂質ダイエットに比べて

  • 体重減
  • 脂肪量
  • 総コレステロールに対する HDL の割合
  • トリグリセリド(≒中性脂肪)
  • HDL コレステロール

でいい結果が得られた。

栄養指導

期間中、被験者は栄養指導を受けている。

糖質について

精製されていない炭水化物(フルーツ、豆類、玄米のような茶色系の穀物)を好んで食べるように指導
“refined carbohydrates” と表現されている。

脂質について

飽和脂肪酸の多いチーズや赤身肉も許容。

低炭水化物群(=高脂質群)は1日の総カロリーの 13% 程度を飽和脂肪酸から摂取し、これは American Heart Association が推奨する5−6% の倍以上にあたる。

What’s my daily limit for foods with saturated fats?
The American Heart Association recommends aiming for a dietary pattern that achieves 5% to 6% of calories from saturated fat. That means, for example, if you need about 2,000 calories a day, no more than 120 of them should come from saturated fats. That’s about 13 grams of saturated fats a day.
http://www.heart.org/HEARTORG/GettingHealthy/NutritionCenter/HealthyEating/Saturated-Fats_UCM_301110_Article.jsp

政府は飽和脂肪酸の摂取を控えるガイドラインを出していて、このガイドラインは給食にも影響を与えているが、最近の研究でもこのガイドラインについては、評価がわかれている。

ただし、トランス脂肪酸の摂取は控えることについては合意。

研究の制限事項

  • LDL の大きさや数によって罹患リスクはことなるが、これは評価していない。
  • 期間が1年と短い。

低糖質ダイエットについて

Robert Atkins が低糖質ダイエットを提唱したのは70年代で、一定の効果は認められるものの、低摂取な糖質を補うためにタンパク質や飽和脂肪酸の摂取が増え、結果的に心臓血管系の疾患リスクが高まるため、医療関係者からは避けられる傾向があった。

wikipedia には低糖質ダイエットの研究についてのエントリーもある

http://en.wikipedia.org/wiki/Medical_research_related_to_low-carbohydrate_diets

pro/con 双方のローカーボ本

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Escape From Alcatraz Death: Man Dies During San Francisco Triathlon

今年の3月3日に開催された Escape From Alcatraz ではスイム中に選手が一名亡くなられた。トライアスロン中の事故死についてメモ。

レース当日のコンディション

例年は6月開催だけど、今年は America’s Cup が6月に開催されることを受けて、3月上旬にシフトしている。北半球の3月ということで、コンディションは例年よりもタフ。

In all, rescuers pulled about 150 swimmers from the swim portion of the race, more than three times the normal number, Burke said. Water temperatures were about 51 degrees, air temperatures hovered in the mid-50s and 11-mph winds made the air feel closer to the mid-40s.
Normally, when the race is held in June, the bay is anywhere from 54 to 60 degrees, and air temperatures can be in the 70s or higher.

温度はすべて華氏。51°F は約10.5℃, 60°F は 15.5℃, 70°F は 21℃。
海は下のビデオのように、ベタ凪とはほど遠く、泳ぎ甲斐のある波。

死因について

2日後の USA Today では検死中で原因不明と出ていた。検死結果は見当たらず。心臓発作説が多い。

レース中事故に関する研究

トライアスロン中の事故死について過去の研究をチラ見。

2006-2008 の USA Triathlon(USAT)管轄のトライアスロンレースを対象に、”risk per participation” を調べたものとして以下がある。

Sudden Death During the Triathlon
Kevin M. Harris, MD; Jason T. Henry, BA; Eric Rohman, BA; Tammy S. Haas, RN; Barry J. Maron, MD.
JAMA. 2010;303(13):1255-1257. doi:10.1001/jama.2010.368.
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=185622

合計約95万選手のうち、事故死は14件で13件がスイム、1件がバイク。(1.5 deaths per 100, 000 participants マラソンは 0.8 程度)

スイム13件のうち、9件では検死をこなっており、

とガタガタ。

スイムは競技の一発目でマスドスタートであることやオープンウォーターで競技が行われていることから、心臓疾患の発症を防いだり、起こった時にすばやく見つけて救助するのは難しいとしている。

一昨年の夏に NY 近郊のレースで立て続けにスイム中の死亡が発生したことも有り、Scientific American がこの論文の著者にインタビューしているので、こいつもメモ。

Why Is Swimming the Most Deadly Leg of a Triathlon?
http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=triathlon-death-swimming

かいつまむと

  • 練習中はレース中よりアドレナリンラッシュが微量なので、発症しにくい
  • 心停止の場合は、いかにはやく蘇生できるかが肝

事故を減らすための案としては

  • 選手もリスクを理解した上でちゃんと練習する
  • 病歴がある、体調に不安がある人は参加すべきか検討する
  • 学生のように、強制的に検診をしても効果があるかは不明
  • マスドスタートはやめる
  • スイムが下手な人は参加させない

等が提案されている。

SlowTwitch の案

トライアスロンのポータルサイト Slow Twitch では、レースディレクターの立場から提案がされている。

Limiting Deaths in Triathlon
http://www.slowtwitch.com/Opinion/Limiting_Deaths_in_Triathlon_2986.html

かいつまむと

  • 1種目目の競技で事故が多発していることから、ウォームアップをしっかりすること(記事が出た頃の2012年のレースでは、スイムがキャンセルされ、デュアスロンのファーストランで心停止が起きている)
  • 実力に合わせて、ポジションどりをすること。スイムが遅いのに、先頭の中央とかには居ないこと。
  • ウェットスーツはコンディションにあわせて選択
  • 水上からしっかり選手を監視
  • 陸に並行したスイムコースを設定し、何かあったら選手をすぐに陸にあげて蘇生などの救助をできるようにする

といったことが提案されている。

ブロガーの案

DCRainmaker さんも 2011年8月当時に記事をかいている

Were the NYC Triathlon swim deaths preventable? A look at our sport.
http://www.dcrainmaker.com/2011/08/detailed-look-at-nyc-triathlon-swim.html

あとで読む。

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Escape From Alcatraz Video Gallery

Escape From Alcatraz

2013

Race Overview

Swim Tip

Bike Tip

Run Tip

2012 Escape from Alcatraz Triathlon Bike Course in under 4 minutes

Macca @ alcatraz

===

portrait

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第9回乳酸研究会に参加

数年ぶりに乳酸研究会に参加。

キーワードは、高強度トレーニングでミトコンドリア・グリコーゲンレベルを増やそう?

———-

日時 平成25年2月16日(土)13時30分より
場所 東京大学教養学部KOMCEE21 レクチャーホール
(井の頭線駒場東大前下車 正門から右奥方向の新しい建物地下)
協賛 CSMジャパン株式会社ピューラック事業本部
アークレイ株式会社
参加費 無料
内容
■トレーニングに対する骨格筋代謝機能の適応とそのメカニズム
寺田新(東京大学大学院総合文化研究科)
■乳酸は骨格筋のミトコンドリア新生のシグナルとなるのか?
星野太佑 (東京大学大学院総合文化研究科)
■正確に乳酸値を測定するための手技と新しい方法の検討
山口武広(アークレイ株式会社)
■自転車競技の現場における定量的アプローチによる 選手強化の試み
柿木克之(Blue Wych 合同会社)
■科学的測定データの競泳トレーニングへの活用~競泳トップアスリートを例に~
平井伯昌(東京スイミングセンター)
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最後2つのセッションに興味があったので、3時過ぎに到着すると、ちょうどアークレイ枠のQ&Aにはいろうかという絶妙のタイミングだった。

Ph.D をもっていてデータと理論で攻める柿木先生とデータ収集が面倒な水泳に感性で指導する平井先生の対比が面白かった。
■柿木克之(Blue Wych 合同会社):自転車競技の現場における定量的アプローチによる 選手強化の試み

国内では、パワートレーニングの第一人者の柿木先生の発表。
プロ、ナショナルチーム(トラック)、学生(東大)のコーチをしている。

内容は
・ロード選手
・トラック選手
への強化トレーニングの取り組み
★定量化ツール
80年台からパワー計測が可能になる。
パワー = ケイデンス x トルク
HR モニターより、トルクをかけた時の応答、計測間隔などでメリットがある

★定量化すべきデータ
– レースでの目標値
– 選手の能力
– トレーニングの質・量

各データをひたすら収集し、関連因子を解析する

★ロード

●選手の能力の定量化

持久力の指標として LT 値を計測

5種類のメニューをこなす。
1. medium 90%-100% of LT
2. strong 100% – 1**%
3. strengh
4. pace
5. sprint

レースは基本運動単位の集合体

距離ではなく仕事量で評価
各強度での時間が大事。

●従来のトレーニング方法との違い

中~高強度の比率を上げる ⇔ 長い距離の乗り込みを積み上げる
オフシーズンも高強度でトレ ⇔ 冬は LSD で乗り込む

短い期間で LT パワーが 10-20%程度上がった

●レース戦歴

タイムトライアル中心に活躍
プロを2名輩出(西園選手 、安井選手。ともに東大院を休学中)

●練習量の評価
週ごとの仕事量がベース
各強度でのトレーニング量と結果を評価しながら、強度と量を調整する
中、高強度の閾値を用意しておき、強度の高いトレーニングを一定時間以上やらないように制御

●チームタイムトライアル(TTT)の戦略
東大は一般入試で入学しているので、力がバラバラ。
風よけ効果で、トレインの後ろほど負荷が減る
各選手の出力と風よけ考慮して、一定のペースになるようローテーション間隔をはじき出す。(←一種の最適化問題)

日本代表の団体追い抜き(トラック)にも同じアイデアを適用した。

★トラック

2010/03 ~日本代表を強化支援
トラックなので、ロードに比べて競技時間は極端に短い。
LT は普段見ているロードのアマチュア選手と変わらない。(本人談:もっと高いかと思った)

ロードのトラックの競技特性の違いから、ロードとは別の指標が必要。
加速力が重要を判断し、トラックの TT の中でも一番短い 200m に着目
http://en.wikipedia.org/wiki/Track_time_trial#Flying_200_m_time_trial

●収集データ

ケイデンス x トルクのデータから
– トップスピードに乗るまでの加速区間
– トップスピードを維持する区間
の2つを向上させることを目指す。

トラック競技が強い、イギリス、オーストラリアの類似データを見ると、体重を考慮しても15%はパフォーマンスが違う。

●トレーニング

加速に必要なトルクのアップ→筋力の向上
スピードの維持→高ケイデンス帯での高負荷トレ(スピードが乗るまでにバテてしまわないように、工夫が必要)

●効果
渡邉一成選手が一番熱心に取り組んでくれた。
日本新を数回更新。
競輪でもともと成功している選手なので、いままでと違うトレーニングを受け入れてもらうのは大変。

★Q&A
レースはフィジカル7割、技術3割。
東大の選手が活躍しているのは、技術要素が低いTT。ロードは弱い。

LT を測定するプロトコルは競技に合わせる必要がある。
トラック選手の場合、3分間でも長い。ラボの測定は向いていないのではないか。
———-
■平井伯昌(東京スイミングセンター):科学的測定データの競泳トレーニングへの活用~競泳トップアスリートを例に~
トレーニング中の HR と乳酸値の測定結果がメイン。

★データログ
自転車とことなり、水泳では運動中にデータ集取するのが難しい。
インターバルの短いレス途中に HR を測定したり、セット後に乳酸値を測定。
また、レースの場合は、撮影したビデオを元に、間隔ごとの秒速、ストローク数、ストロークあたりの距離なども収集可能。

★トレーニング概論

高強度で良いフォームで泳ぐ

忍耐力と克己心(メニューをこなせる人でないと、そもそも上達しない)

フォームが崩れることを極端に嫌っているようで、ゆっくりとしたベースでバタフライを泳いだり(→レースと同じピッチで泳ぐべき)、水泳にむすびつかないレジスタンストレーニングを頑張ったり、合宿で大量に距離だけこなしてへばってかえる(→いい泳ぎの状態で合宿を終えるべき)などがアンチパターンとして紹介されていた。

★HRと乳酸値測定の実際

昔はいろんな層に対して熱心に測定していたが、最新はそれほどでもない。
目標タイムをいかに達成したかではなく、高い乳酸値に満足する選手もいる。
海外では、乳酸値を測定するのは最近はめっきり見かけなくなった。

USA ナショナルチームのサイトには、2009年を持って乳酸値をクールダウンの指標とするのは無意味だから辞めた、みたいな声明がある。
http://www.usaswimming.org/ViewMiscArticle.aspx?TabId=1781&Alias=Rainbow&Lang=en&mid=7899&ItemId=3618

As of fall 2009, the USA Swimming National Team Performance Support Group will no longer be providing lactate clearance tests at competitions. Our past experiences, valuable input from research experts, and unfavorable testing conditions, has made it clear that the lactate clearance testing program is no longer necessary to guide cool-downs and very little benefit could be gained from continuing to provide the tests.

★選手による違い

荻野選手のように中距離が専門なのに、高い心拍数・乳酸値のまま短いインターバルでガンガン泳げる選手もいる。

フェルプスは 2003 年のレース後の値で 6 程度だった。

La 値をもとに、選手に何がおこっているか想像することが大事。
高い La 値が出たからといって喜んではいけない。

★トレーニングの変化
ボリューム主体のトレから高強度を高頻度に行うトレにうつりつつある。
高地トレを最近はやっていない

より高い泳速普段から泳がせないと、世界と戦えない。

荻野選手は平井コーチに来る前まで、一年中高強度中心のメニューをこなしてきた。

USC/Novaquatics の Salo コーチも昔から年中レースペースで泳がせるメニューが中心。

Salo コーチの指導法は Human Kinetics の “Complete Conditioning for Swimming (2008/6/30)” を読むと確認できる。
ロングディスタンスの選手を “long sprinter” と定義する指導方法は、初めて読んだときは新鮮だった。
★ピークの持って行きかた

明確なピリオダイゼーションはやらない
年に2回ピークを持ってくるとして、20-30週間もかけてゆっくりとピークに持っていく必要なんてあるの?

もっと短いスパンで何回もピークをもっていく。
スパン内の各イテレーションでは、メニューに幅を持たせて、いろいろな刺激を与えるのが重要。

会場には松田丈志選手もいた。
■Q&A

高強度x短いインターバルでつけた持久力と低負荷 x 高ボリューム でつけた持久力に違いはあるの?

筋の動員が違う。
両方が必要。
高負荷トレがそのままマラソンに生きるかは実験していないが、難しいのでは?

LSD のやりすぎは、解糖系能力が落ちる。

LSD だけでは LT がのびなくて、強度を上げると、LT ののびが加速する事がよくある。(柿木)
ただし、負荷をかけても伸びにくい人もいる。個人差が大きい。

同じメニューばかりやると、同じシグナルばかりで刺激が足りなくなる。
バリエーションのあるメニューをやることで、トレーニングもより効果的になる。

高ボリュームのトレーニングを選手に納得してもらいながら取り組んでもらうにはどうすれば良い?

最近は、ボリューム中心のメニューの有用性を示す論文が弱い
東スイも数十年前は5歳程度の子供に 400IM とか泳がせていたが、今はあまり距離は泳がせていない。(泳ぎが汚い)
長い距離のメニューに拒否反応を示す選手も多い。
ピアソルは高校生まで、1日1回たった 4000m 程度の練習だけで世界トップになった。

———-

柿木克之先生は短い時間内に早口で大量の内容を詰め込みすぎだと思う。中身が濃いので、倍の時間は欲しかった。

以上。

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